国の特別天然記念物カモシカの発見について
国の特別天然記念物に指定されているカモシカ1頭を美郷町内で発見し、専門家の指導のもと保護しました。平成30年度・令和元年度に実施した「第5回九州山地カモシカ特別調査」では、九州山地のカモシカ生息頭数は約200頭(宮崎県は143頭)と推定されており、貴重な発見事例となりました。
1.保護に至るまでの経緯
- 6月10日(火曜日)
午後3時50分頃
美郷町の国道327号線(美郷レイクランド付近)において、県文化財課職員がカモシカ1頭を発見。
けがをしている様子がうかがえたため、美郷町役場職員と対応するも、カモシカが高所へ移動し、保護は困難と判断。
- 6月11日(水曜日)
午前9時15分
美郷町役場職員が発見場所に向かうも、カモシカの姿は確認されず。
午後1時頃
地域住民から美郷町役場へ、発見場所付近でのカモシカ目撃情報が寄せられる。
美郷町役場職員が対応するも、保護が困難な状況であった。
午後3時20分
美郷町役場職員が現地確認するも、カモシカの姿は確認できず。
発見現場から50メートル付近の谷において、山に戻ったらしき痕跡を発見。
- 6月12日(木曜日)
午前9時
再び、地域住民から美郷町役場へカモシカ目撃情報が寄せられる。
午前11時25分
県文化財課職員が、県カモシカ保護指導委員及び野生動物の専門家等とともに現地に到着。
午前11時35分
当該カモシカを保護。
衰弱していたため、宮崎大学農学部に搬送し、獣医師による処置を実施。
2.発見されたカモシカについて
(1)頭数:1頭
(2)性別:雌
(3)推定年齢:1歳
(4)保護時の状態:疥癬症、左下顎の骨折・裂傷及び全身衰弱
(5)保護後の経過:
宮崎大学農学部において、獣医師による処置を実施。
6月12日(木曜日)の夜に死亡を確認。死亡原因は調査中。
3.カモシカについて
- カモシカ(ニホンカモシカ)は本州、四国、九州に分布している日本の固有種で、ニホンジカ(シカ科)とは異なりウシ科の動物です。
- 文化財保護法により、昭和30年に国の「特別天然記念物」に指定されています。
- カモシカ九州地方地域個体群は環境省レッドリストにおいて「絶滅のおそれのある地域個体群(LP)」とされています。
4.カモシカを発見したら
- カモシカを目撃した場合
騒いだり、捕まえようとはせず、最寄りの市町村教育委員会まで御連絡ください。可能であれば、安全を確保の上、写真や動画撮影をお願いいたします。目撃情報は、カモシカの生息状況を把握する上で極めて重要なデータとなります。
- 罠や防護柵にかかったカモシカを発見した場合
速やかに最寄りの市町村教育委員会まで御連絡ください。罠などで動けなくなったカモシカは急速に衰弱していきます。放獣作業は大変危険ですので絶対に1人で行わないでください。
- 死亡個体を発見した場合
最寄りの市町村教育委員会まで御連絡ください。カモシカの表皮にはダニなどが多く寄生しているほか、人獣共通感染症による人や家畜への感染可能性もあります。絶対に触らないでください。
5.その他
詳しくは、下記関連リンクにあるホームページを御覧ください。