令和8年度「知事との本音トーク」地域版(第3回:綾町)
内容
開催日時など
開催日時
令和8年7月24日(金曜日)午後1時30分から午後3時まで
場所
綾町役場3階第2会議室
テーマ
綾町の将来像・魅力
参加者
綾町の皆さん10人
- 本日は、平日の日中という皆様大変お忙しい中、「知事との本音トーク」に御参加いただき、心から感謝申し上げる。県政を進める上で「対話と協働」を大切にしており、地域の皆様と意見交換を行って今後の県政運営に生かしていくために実施している。
- 皆様とともに、地域の課題や今後の展望について語り合う時間としたい。
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自治公民館・外国人労働者について
- 綾町の自治公民館では、公民館長を中心に住民が主体となって住みよい地域づくりを行っている。活動の中での課題は、少子高齢化により自治公民館の役員のなり手が少なくなっていること、及び人と人とのつながりの希薄化により地域コミュニティの維持が難しくなっていることである。この課題に対し、綾町では公民館長同士で情報交換を行っているが、県全体の課題でもあり、県主導で県内全域の公民館長による意見交換の場を作ってほしい。
- 外国人労働者が年々増えているが、外国人も移住者と捉えて、積極的に地域活動に参加してもらい交流することが大事と考える。交流によって文化の違いを理解すれば、外国人と日本人とのトラブルを防ぐことができると考える。外国人と地域住民が今後どのように関わればよいかについて、県がリーダーシップを取って先進地の情報等を収集し、アドバイスしてほしい。
知事より
- 自治会における組織率の低下など地域社会が変容する中、御苦労がおありだと思う。プライバシー意識の高まりや地域におけるつながりの希薄化の中にあっても、地域で助け合うことの重要性は変わらない。例えば、災害時にお互いに支え合って安全に避難する、また、子育て家庭を地域でサポートするなど、住民共通の課題について、地域で力を合わせる仕組みができるとよい。提案いただいた、公民館長同士の交流の場づくりは本当に大事だと考える。今後の宿題として受け止める。
- 人手不足が進む中、産業を成り立たせるため人材を確保したいという声を受け、安心して外国人材を雇用できる環境づくりに取り組んでいる。外国人労働者及び外国人を雇用したい事業者が相談できる窓口を設置したほか、インドネシアを訪問して政府及び送り出し機関と連携協定を結び、良質な人材を円滑に確保するためのパイプづくりを行った。外国人とのトラブルや根拠のない思い込みを背景とした外国人排斥の動きがあることについては大変憂慮している。外国人が増えるほど何らかの摩擦が生じることは想定されるが、それを円滑に解決できる仕組み、地域を作っていく必要があるとの問題意識を持っている。今後ますます、市町村や協力団体と連携し、受入体制を整えていきたい。
農業振興・道路整備について
- 親の農業を継ぐ人が非常に少なく、親の農地や機械はあるが就農しないケースが多々ある。子どもたちが後を継ぐ仕組みをぜひ作ってほしい。
- 野菜を全国に出荷するにあたり、夏は涼しい地域が産地になり、冬は温暖な宮崎が産地になる。季節によって産地リレーをしているが、宮崎は大消費地である都市部から遠く、輸送費が収益を圧迫している。ブロッコリーが指定野菜となり、価格が下がった場合に、国と県の補助で一定の補填はできるようになったが、さらに踏み込んで、輸送費負担に対する対策を行ってほしい。
- ひなたGAPの認証を受けている農家がある。私は現在、国際基準であるMIYAZAKI-GAPの認証申請を行っている。MIYAZAKI-GAPの認証を受けた農家は取引において格段に有利になると考えており、認証制度を今後も長く継続してほしい。
- 先日、本庄高校に行く機会があり、県道26号を東進して信号で右折して本庄高校に向かったが、信号機に地名等の表示が何もなく分かりづらかった。信号機に「本庄高校入口」と表示してほしい。
知事より
- かつては国の支援対象が新規就農者に偏っていたが、現在は国も県も、親元就農も含めて支援する方針となっている。食料安全保障の観点からも、食料生産機能を失ってはならないと考えている。
- 大消費地から遠いというハンデがある中、宮崎の強みを生かしてどのように勝負できるかを今後も考えていく必要がある。フェリーや高速道路等といった物流の整備が、農業における環境整備の一翼を担っている。
- 農業の現場で働く皆様にとっては、GAPの認証申請にあたり様々な事務作業が負担になっていると聞く。県としては、可能な限り事務作業の負担を軽減し、農業を将来につなぐ取組をサポートしていく。
- 道路環境の整備は大切である。要望を担当課に伝える。
有機農業への支援・子どもの教育について
- 環境保全型農業直接支払交付金という国の制度では、有機農業に取り組む農家に毎年補助金が出ていたが、国の方針が変わり、単に有機農業を継続しているだけの場合は5年で補助が打ち切られることとなった。継続年数にかかわらず補助金を出してもらえるよう、県から国に要望してほしい。
- 外国からの移住者が増えており、外国出身の子どもの教育について心配している。綾町内ではまだ聞かないが、他県では、外国出身の子ども一人のために小学校の先生が一人配置され、日本語を教える教室があると聞く。ただでさえ小学校の先生が少ない中、外国出身の子どもに先生を専属配置することは大変だと思う。
- 高校生と中学生の子どもがいるが、子どもたちが社会や外国を知ることができるように、県が様々な施策を行っていると感じる。子どもは県の事業で10日間ほど外国に行き、親ではさせられないような経験をさせてもらいありがたく思う。子どもの様子を見ていると、先生方の知識、経験及び常識の範囲が、子どもの将来の上限を決めてしまうと感じている。保護者を含めた大人たちの知見を広げることで、子どもたちの視野も広がり、将来の選択肢が増えると考えている。
- 子どもが防災士の講習を受けたいとのことで、ホームページで情報を確認したが、受講者募集開始から1か月ほどで全ての会場が満員であった。もっと開催回数を増やしてほしい。
- 県内の高校では生徒のアルバイトを認めていないところが多い。考え方を変えて、社会勉強となるアルバイトについては認めてほしい。現在は認められていないため、隠れてアルバイトをする高校生がおり、そちらの方が怖いと感じる。また、アルバイト員が確保できずに開店できないお店もある。学業に支障が出ないやり方があると考える。
知事より
- 行政の財政当局は事業を数年で区切り、継続が必要な事業は見直しを加えた上で継続するというやり方である。有機農業に対する支援については、慣行農業から有機農業に転換する部分に集中的に力を入れるという国の判断であり、環境保全型農業を追求することは重要だと考える。高コストで自立が難しいという部分をどう支援していくのかについて、本県としても国に対応を求めていきたい。
- 本県で働く外国人は技能実習生が多いため家族同伴の方は多くないが、今後増えていくのは間違いない。海外出身の子どもたちの教育は今後の課題である。海外出身の子どもを迎えることが地元の子どもたちにとっていい刺激になればと思う。差別が現場で広がるようなことがあってはならない。問題意識としてしっかり受け止める。
- 高校生や大学生との意見交換で「アドバイスは?」と質問された際には「海外を様々な形で経験するのはとても良いことである」という話を必ずしている。1年2年という長い期間でなくとも、例えそれが旅行であっても、海外に行くことで何かを得ることができ、改めて地元を見つめ直すことができる。そういう経験はとても大事だと考えており、今後もそのようなプログラムを用意したい。
- 防災士講習の需要が高まっていることを嬉しく思う。応募状況に応じて、開催回数を増やす等の工夫をして環境を整えたい。
- 高校の校則は基本的には学校単位で定めているものだが、アルバイトの可否については県全体で考えてもよい問題だと思う。高校生の本分は学業だが、アルバイトには社会を勉強できるという前向きな部分がある。御指摘として受け止める。
観光について
- 学校の総合的な学習の時間で、「綾と海外」というテーマについて考えているが、私は綾の魅力を利用して海外からの観光客を増やしたいと思い、観光・文化について調べた。観光客が少しでも長く綾町に滞在するよう、陶芸などの体験をしてもらうとよい。ただ見るだけではなく作る楽しさを味わうとともに、自国に帰った後に自分の作品を見て楽しかったことを思い出せると考えている。
知事より
- 陶芸を体験することで滞在してもらうという視点が非常にいいと思う。観光は、見て食べて終わりというだけではなく、自分が参加する、自分が作るという部分に魅力がある。将来、綾町のみならず県全体でもそういった取組がもっとできると考える。
関係人口の創出について
- 人口減少が進む中で綾町の人口を増やすのは難しいため、関係人口を増やすとよい。関係人口を増やすと交通渋滞やゴミ問題などのデメリットが想定されるが、人手不足の解消や地域経済の活性化といったメリットがある。綾町と同じような地域の取組を参考にして、関係人口を増やすためにイベントを開催するとよいと考えている。
知事より
- 綾町は農業や工芸を目的に移住する方が多い地域だが、人口を増やすことは簡単ではない。関係人口を増やそうという着眼点が素晴らしい。綾照葉樹林マラソンが復活したが、スポーツイベントは町外から多くの参加者が来て、綾の自然を楽しみながらスポーツを楽しみ、町民の皆さんと交流を深めることができる。綾町のファンを増やし、関係人口を増やすのに有効な取組だと思う。
地域活動の担い手不足について
- 商工会だけでなく、消防団や、様々なイベントの実行委員会等の有志団体に入って活動しているが、どの団体も担い手が不足している。田舎ほど「あの人に任せておけばいい」「やる人がやってくれる」という意識が強いように感じる。自分が様々な団体で活動するのは、時間を持て余しているからではなく、地元の文化をはじめ大事にしたいものを守るためである。今後、10年、20年後に活動をつなぐには、教育を通じて子どもたちに気持ちの部分を継承することが大切だと思う。消防団も商工会も、熱い思いを持って、地元に活気をもたらすために頑張っている。
知事より
- 地元団体の活動について、熱心な人は頑張り、そうではない人はあまり関わらないという課題は、それぞれの地域であると思う。担い手が減少しても団体の機能を保てるように、業務見直しによる負担軽減、消防団での女性団員の加入促進や機能別消防団員の確保といった取組が行われている。仲間の輪を広げるため、共感・賛同する人を増やすことは非常に大切だと思う。行政の立場では、制度的な負担軽減や、消防団員を雇う事業者へのメリットの提供といった仕組みづくりによって活動を支えていく。
物販による地産地消について
- 町内にテニスやバスケットボール等のスポーツ少年団があり、遠征費を捻出するために保護者が物販を行うが、他県の商品を使用するため他県に利益が流出している。そこで、町内産品を使った物販に協力すると、町内で生産された野菜等が届く仕組みを持ったアプリを作ってほしい。町内で作ったものを町民に食べてもらうことができ、生産者と保護者の交流が生まれるので、様々な課題が解決できると考える。
知事より
- ありとあらゆる少年団やクラブチームが物販を行っており、なるべく地元のものを使う仕組みづくりや地産地消の呼びかけは非常に大事だと思う。県では広い意味での地産地消を推進しているので、販路拡大につながる良いヒントを頂いた。アプリ開発という形がいいのか、地産地消の呼びかけという形がいいのか、これから考えていきたい。
地域の魅力について
- 元々県外に住んでいたが、20年前に宮崎に移住してきた。自然豊かで食べ物が美味しく温暖な気候であり、ここにいれば生きていけると感じた。美味しいものがたくさんある宮崎県の中でも綾町の有機農業に特別なものを感じ、人を豊かにする仕事を新しいキャリアに選びたいと思い、有機農業をすることを決心した。野菜の生産者というよりも人を豊かにする仕事という立ち位置で有機農業に携わり、自然と食で人を元気にする町になるような関わりを作っていきたい。延岡が「アスリートタウン」と打ち出しているが、綾町は「人を元気にする町・リトリートタウン」だと思う。県としても、人を豊かにする、元気にするという取組を考えてほしい。
知事より
- 県ではかつて、経済指標や給料の多寡には現れない、ゆったりとした時間や温かい県民性、暮らしやすさといった「新しいゆたかさ」の指標を作ったことがあるが、実際に住んでみて実感されたその魅力についてしっかり発信しなければと思う。「リトリートタウン」という表現を頂いたが、海外から宮崎に赴任した外国語指導助手の皆さんに宮崎についてどう思ったかアンケートしたところ、「カントリーサイド」「ハイドアウェイ」というように、良い意味での田舎、ほっとする場所、隠れ家という表現をされていた。都市部のように様々なものが揃っているという魅力ではないが、別の豊かさがあるということを認識し、発信することで関係人口の創出や移住者の増加につなげたい。
移住者の地域活動への参加について
- 綾町に移住してきた15年前は地域活動に参加する側だったが、地域活動を主催する側になり、当時地域の皆さんに大変お世話になったことを実感している。また、自宅の火災で消防団員に助けていただき、人と人とのつながりがあったから今こうして綾町にいるのだと感じている。公民館活動に入らない方について、人によって様々な考え方があるので強制はできないが、綾町は地域活動があってこその町だと思う。移住者を誘致する際、魅力をPRするだけではなく地域活動についての丁寧な説明も行うと、前もって地域の事情を知ってもらうことができ、円滑に地域に入りやすいのではないかと考える。
知事より
- 県外で開催する移住フェアでは、移住者に体験談を話していただいたり、様々な事例紹介を行っている。地域の皆さんが地域活動に熱心に取り組んできたからこそ、暮らしやすさや地域のつながりが存続している。このことを移住希望者にしっかり伝えるという意識を持って、誘致活動を進めたい。
果樹栽培への支援について
- 息子が新規就農した当時は、親元就農では親と同じ品目を生産することは認められないというルールがあったため、収益の上がっていた日向夏を伐採し、種なし金柑に切り替えた。しかし栽培が難しく、11年経った今でも収量が上がらず、初期投資に多額の費用をかけたのに対し収入が追いついていない。果樹の場合は植えてから収入になるまで5年から10年ほどかかるため、新しい品目の生産を始めるときに手厚い支援を頂きたい。
知事より
- 現在では親元就農でそのような制約はなくなっているが、当時は制約があったために伐採せざるを得なかったとのことで非常に惜しいと感じる。県外にセールスに行くと、種なし金柑を希望する声をよく聞く。県が開発した種なし金柑は、栽培が難しいという現場の声を受けており、技術的なサポートを行っていきたい。
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- 幅広いテーマで、お互いに問題意識を共有しながら今後に生かすような意見交換をすることができた。綾町の知名度や魅力は、県外、海外で勝負できると考えている。これからも力を合わせて、ともに地域づくりを進めていきたい。本日はありがとうございました。
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