宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ
海幸山幸うまいもの

取材協力
宮崎観光ホテル
宮崎市松山1丁目1番1号
TEL 0985-27-1212

実りの秋の味覚を楽しむ。

◆宮崎が誇る幻の名品、フエダイのお造り

フエダイのお造り

豊かな宮崎の海の幸の中で、刺身のうまさで選ぶとすれば、フエダイを最高位に挙げる人もいるかもしれない。 地元でシブダイと呼ぶこの魚は、南日本特産といってもいいほどに限られた海域でしか獲れず、県内では都井岬周辺から日南海岸一帯が主な漁場。夏から秋にかけて建網や定置網で獲れるのだが、漁獲も少ないのであまり店頭で見かけることはない。ただし、その霜降りが入ったような身のうまさは折り紙つきで、「魚の肉とは思えない」と感想をもらす人もいるほどだ。

肉質は白身でも赤身でもなく、フエダイの身としか言いようがない独特のもので、さまざまなうまみが詰まった、いかにも黒潮の幸といった味がする。長くナミフエダイと混同されてきたが、1983年に故赤崎正人博士(元宮崎大学教授)によって新種記載された。その逸品といえる味覚は、残念ながら幻に近いが、機会があればぜひ味わってほしい。

◆天然鮎の一夜干し

天然鮎の一夜干し

秋の鮎をひと塩して一夜干しに。うまみが凝縮される贅沢な一品。
宮崎では、ほとんどの川で天然鮎が遡上する。若鮎の最高の食べ方は、とれたてを塩焼きにすることだが、身も充実する大ぶりの秋の鮎なら一夜干しにすると、こくが凝縮されて一段とおいしい。あしらいには秋らしく焼き栗とかんしょ。平兵衛酢を添えて。

◆イセエビの具足煮

イセエビの具足煮

ぶつ切りを煮付けた漁師料理。 食べごたえのある豪快な味わい。
イセエビをぶつ切りにして醤油だしであっさりと煮付ける具足煮は、もともと豪快な漁師町の料理。その姿が武士のすね当て(具足)に似ていることが、名の由来とか。9月1日に漁が解禁されてしばらくは、求めやすい値段で出回るので、家庭でも試してみたい。

◆椎茸のムースエスカルゴ包み

椎茸のムースエスカルゴ包み

エスカルゴと椎茸の意外な出会い。さっぱりとした赤ワインソースで。
肉厚でジューシーな宮崎産椎茸とエスカルゴを、鶏のムースで包んでみた。ナイフを入れると、凝縮された椎茸の風味が贅沢にあふれ、肉のだし汁と赤ワインで作ったソースが、さっぱりと味を引きしめてくれる。

◆巨峰のブラマンジェ

巨峰のブラマンジェ

秋の味覚、小林産の巨峰をふんだんに使った絶品デザート。
小林産の巨峰を皮ごとふんだんに使ったムースは、控えめな甘さに仕上げた。パイナップルのシャーベットと合わせて食べると絶妙のコンビネーションを堪能できる。ソースは同じく巨峰を皮ごと使い、干しぶとうとチョコレートをアクセントに。