宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ
ヤマイモ掘り

春は山菜、秋にはヤマイモ
綾の山をゆくアウトドア派。

長谷勝之さん宮崎市でガス販売業を営む長谷勝之さん。子供の頃に自宅から綾町まで約20キロの道のりを、「自転車の三角乗りで」遊びに行って以来の綾好きで、今では綾南川のほとりにセカンドハウスを建てて、休日には山歩きや野鳥観察を楽しんでいる。中でも「中学生の頃から掘っている」というヤマイモ掘りは、名人級の腕前とか。

「探すのは大変でしょうとよくいわれますが、ヤマイモは日当たりのいいところに生えますので、そんなに山奥に行くわけではありません。案外、身近なところで掘れるんですよ。道の脇のヤブになっているようなところとか、杉の植林後の若い林が狙い目ですね。」

季節は10月から1月いっぱいくらいまで。ヤマイモの地下部につながるツルを探すわけだが、むかごや枯れた花が目印になるので、慣れると遠くからでもすぐにわかるそうだ。時には、イノシシが掘り返した跡が目印になることも。

「イノシシは深くは掘れませんからね。向こうでヤマイモを探して途中まで掘ってくれるので、こちらは楽です(笑)」

ヤマイモ掘りの目印になるむかご

ヤマイモ掘りの目印になるむかごは、塩ゆでやむかご飯に。地面に蒔いておくと自然にヤマイモに生長する。

木工や壁塗り、住宅設備の設置まで趣味だという長谷さんは、セカンドハウスもほぼ手作りしたほどのクラフトマン。もちろんヤマイモを掘る「キンパ」という道具も手製だ。ガスの配管に使う鉄パイプを半分に切り、バーナーで焼いて整型、先端に鋼をつけて研ぎ、刃をつける。この特製キンパの切れ味は抜群で、2時間で5本を掘ったことも。

「春は山菜、夏は川で鮎やエビ捕り、秋はヤマイモ。それに野鳥観察やアカウミガメの産卵調査。なんだか子供の頃の遊びをそのままやっている感じですね(笑)」

岩盤の多い場所のヤマイモ

岩盤の多い場所のヤマイモは写真手前のもののように扁平になりやすい。長谷さんによると「色が白いほどおいしいヤマイモ」とか。