宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

Jajaバックナンバー

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亜熱帯植物にかこまれた
雄大な景観に鎮座する海の神様

御崎神社
Miyazaki sightseeing inheritance

日南海岸の最南端、日向灘に突き出した都井岬の断崖に鎮座する御崎(みさき)神社は、海の神様である綿津見神(わだつみのかみ)を祀(まつ)る。 崖に食い込むように立つ赤い社と、明るい青をたたえる海、そして南国の空の下で、厚い葉が陽を照り返す亜熱帯植物群が構成する景観は、独自の美しさだ。 正面からそよぐ海風と潮騒の中、鳥居を抜けて階段を下りていくと、沖に左右から流れ込む潮流がぶつかる様子が見えることがある。

その潮目は良い漁場となって、昔から豊かな海の幸をもたらしてくれたが、一方で船に危険をもたらす有数の難所でもあった。 海難をよけ、安全な航海と豊漁を祈る神として、また縁結びの神として信仰されてきた御崎神社は、和銅元年(708年)の創建と伝わるが、この風景の中にいると、たしかにここにはもっとも古い祈りの形があるように思えてくる。それはおそらく、海そのものへの祈りだったのだろう。

御崎神社

周辺には自生の北限地とされるソテツが約五千本繁茂しており、「都井岬のソテツ自生地」として国の特別天然記念物に指定されている。その群落をくぐって都井岬灯台に向かう、長さ1・2キロの遊歩道は格好の散策コースだ。

鳥居

駐車場から鳥居をくぐり、ソテツに覆われた階段を下りていくと、
日向灘の明るい海面が見えてくる

険しい崖に鎮座する社

険しい崖に鎮座する赤い社。航海の安全を祈る海の神様を祀る。

都井岬

日本古来種の血統をひく野生馬が遊ぶ都井岬。