宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ
海幸山幸うまいもの

取材協力
宮崎観光ホテル
宮崎市松山1丁目1番1号
TEL 0985-27-1212

実りの秋の味覚を楽しむ。

◆冬の夜にうれしい洋風鍋土々呂産魚介のブイヤベース

土々呂産魚介のブイヤベース

年間を通じて新鮮で良質な食材が手に入る宮崎では、地鶏の炭火焼きや宮崎牛のステーキに代表されるように、素材の良さをそのままに味わえるシンプルな料理が多い。それは料理の形として、ひとつの姿でもあるのだが、最近ではソースや添え物にひと手間かけたフランス料理やイタリア料理の分野でも、宮崎どれの素材が注目され、県内にも評判のよいレストランが増えてきている。

今回は、宮崎の魚介の魅力を存分に生かしたフレンチに仕立ててみた。その主役は、県北延岡市の土々呂漁港で水揚げされたトラガニ、ホウボウ、カサゴ、ヤガラ、コチなど魚介のブイヤベース。豪華な魚介の旨みが凝縮されたスープは、かすかな潮の香りを運び、コク深く味わい豊かだ。プロのこだわりには届かなくても、魚の頭や玉ねぎ、人参、セロリなどの野菜でとったスープにサフランを入れ、塩で味付けをしたら、後はどんどん材料を入れるだけで一応のものはできるので、家庭でも作れそうだ。冬の夜に、宮崎の魚介をふんだんに使ったブイヤベースを、宮崎産ワインと一緒に楽しんでみてはどうだろう。

◆高鍋産天然牡蠣のグラタン

高鍋産天然牡蠣のグラタン

天然牡蠣に相性抜群のシャンパンを。
牡蠣の旨みを存分引き出した一品。

高鍋の荒磯で育まれる天然のイワガキは、身は小ぶりだが豊かな味わいが特徴。その本来の味を楽しむために、生クリームとシャンパンを煮詰めた軽い口当たりのソースでグラタンに仕上げた。シャンパンのかすかな酸味の後に、磯の香りが広がる。

◆真イカのパエリア

真イカのパエリア

イカスミを使ったパエリア。
海と山の幸のマリアージュによる豊かな風味。

イカスミの深い味わいが味を引き立てる黒いパエリア。イカのタルタルと混ぜながら食べると、熱々のパエリアで半生状態になり、凝縮されたイカのうまみが広がる。

◆アカザエビのソテー

アカザエビのソテー

甘味の強いアカザエビのソテー。
鮮やかな緑と白の二色のソースで。
宮崎の隠れた名品といえるアカザエビ。豊かな甘味を損なわないようにシンプルなソテーにした。ほうれん草の緑のソースとヨーグルトの白いソースを沿え、美しい配色もインパクトがある一品。

◆金柑(きんかん)と苺(いちご)のスープ仕立て

巨峰のブラマンジェ

フルーツのミネストローネをイメージ。
金柑の甘味と苺の酸味の出会い。

まるでフルーツのミネストローネのような、アプリコットソースの中に浮かぶ数種のフルーツが鮮やか。宮崎金柑の甘さと苺の酸味も絶妙にマッチして、爽やかな風味を生み出している。日向産平兵衛酢の果汁で作ったシャーベットもさっぱりとおいしい。

◆鰯のマリネバニラ風味と蕪(かぶ)の二品

鰯のマリネバニラ風味と蕪(かぶ)の二品

宮崎産のフレッシュな蕪の甘味を
存分に引き出したシンプルな味わい。

鰯のとろりととろけるような旨みと蕪の甘味のあとに、バニラの風味が香るマリネ。蕪の風味そのままのフレッシュな味わいのポタージュ。サラダでも火を入れても美味しいのはこの時期の宮崎産蕪ならでは。