掲載開始日:2023年5月16日更新日:2023年5月15日
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当振興局は、東臼杵地域の6市町村(延岡市、日向市、門川町、諸塚村、椎葉村、美郷町)を所管しています。
東臼杵地域は、海や山など豊かな自然に囲まれた地域です。
豊かな自然を持つという東臼杵地域の特性や地域資源を活かし、地域の活性化に取り組む人を紹介します。
今回は、管内唯一の有人離島である島野浦島(延岡市島浦町)の『地域おこし協力隊(注)』岩田大志さんにインタビューをしました。
(注)都市住民など地域外の人材を地域社会の新たな担い手として受け入れ、地域力の維持・強化を図る活動。おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治体の委嘱を受け地域で生活し、各種の地域協力活動を行う。
島野浦島は、延岡市島浦町に位置する人口700人(注)ほどの管内で唯一の有人離島。
延岡駅から車で約30分ほどの場所にある『浦城港』(延岡市浦城町)から出発する高速艇に乗ると、約10分で到着するため、離島ではありますが、気軽に訪れることができます。
また、以前は『いわしの舞う島』と呼ばれたこともあるほど、漁業の盛んな島です。
(注)延岡市HP「延岡市の人口」を参考
福岡県出身。
大学卒業後、大阪府の不動産会社に就職。
「そろそろ地元に帰ろうかな。」と考えていた時に、高校時代の友人に島野浦島で一緒に事業を始めないかと誘われ、移住を決意。
その頃、延岡市が募集していた地域おこし協力隊に応募し、採用され、令和3年度から島野浦島の地域おこし協力隊として、様々な活動に取り組んでいます。
令和5年度で地域おこし協力隊としての活動も3年目。
協力隊1年目は、島民へ地域おこし協力隊の存在や活動内容を知ってもらうため、毎月活動報告書を作成し、島内の回覧板で配布したり、島民が集まるイベントに必ず出席するなど、島民に知ってもらうことを意識しながら活動しました。
2年目は、島内唯一の飲食店である『満月食堂』のオープンに向けてメニュー開発やメディア等へのPR活動を行いました。
さらに、島野浦島自慢の水産資源を活用し、『濃厚鯛ほぐれ』という新たな特産品を開発し、販売を始めました。
満月食堂前で『濃厚鯛ほぐれ』を持つ岩田さん。
協力隊2年目に着手した特産品開発。
コロナ禍で島野浦島に来ることができない方にも満月食堂の味を知ってほしいという思いから、『濃厚鯛ほぐれ』が誕生しました。
漁業の盛んな島野浦島。
いろいろな種類の魚が取れますが、時期により取れる魚が異なるため、特産品にするのであれば、1年中安定して手に入れることができる魚を使用したいと思いました。
安定して手に入れることができる魚とは、養殖した魚だ!と思い、島野浦島で育った養殖の鯛を使用することにしました。
『濃厚鯛ほぐれ製造の様子』:鯛の身を取り出す様子。
養殖の鯛を使用することは決まったものの、どんな商品にしようか‥と頭を悩ませていました。
開発当時は、コロナ禍でステイホームが推奨された時期であったため、長期保存ができる商品にすることを念頭におき、調理を始めました。
満月食堂の看板となる商品を作るため、満月食堂の店長にも相談し、味付けや鯛の身を炒める時間を変えるなど、いろいろな方法を試しました。
試行錯誤の末、ついに、フワフワとした弾力と口触り、絶妙なほぐれ感のある『濃厚鯛ほぐれ』が誕生。
島民の方も製造に協力してくださるなど、島民の思いの詰まった一品となっています。
『濃厚鯛ほぐれ製造の様子』:鯛の身を炒めている様子。
現在、満月食堂のみで販売している『濃厚鯛ほぐれ』。(令和5年5月時点)
そんな『濃厚鯛ほぐれ』は、醤油味と塩味の2種類。
味つけに用いている醤油や塩は、もちろん延岡市内で作られたものを使用しています。
『濃厚鯛ほぐれ』発案者だからこそ知るおすすめの食べ方は‥
どんな料理にもアレンジできると思いますので、お好みに合わせて、とっておきのアレンジ方法を見つけてください。
協力隊3年目は、特に2つのことに力を入れていきたいと考えています。
1つ目が、『特定地域づくり事業協同組合(注)』の設立。
島野浦島には、人口減少、少子高齢化、担い手不足等の課題があります。
このような課題がある中で、地域産業を継続させていくためには、『特定地域づくり事業協同組合』の設立が必要となってくると思います。先進地である日南市や諸塚村の事例を参考にし、設立に向けて一歩前進させたいです。
2つ目が、20~50歳の島民を中心とした『島を盛り上げる団体』をつくることです。若い世代の島民が定期的に満月食堂に集まり、地域の課題解決に向けて話し合うことで、さらなる地域活性化につながるのではないかと考えています。
次世代を担う若い世代のアイディアで、島野浦島をもっと盛り上げていきたいです!
(注)地域人口の急減に直面している地域において、農林水産業、商工業等の地域産業の担い手を確保するための特定地域づくり事業(マルチマーカー(季節毎の労働需要等に応じて複数の事業者の事業に従事)に係る労働者派遣事業等)を行う組合。
今後の抱負を語る岩田さん。
今回、取材に訪れたのは『満月食堂』。
その名前の由来は、以前は漁が休みの満月の日に、島の飲食店等に漁師が集まり、賑わっていたことから、以前のように多くの人が集まる賑やかな場所になってほしいという思いで、その名をつけたそうです。
取材当日も満月食堂は、地域住民や観光客で大賑わい。
島が以前のような賑わいを取り戻す日も、もうすぐそこまで近づいているのかもしれません。
岩田さんは今後も地域住民の方々と話し合いを重ね、島野浦島が活気溢れる島になるよう様々なことに挑戦するそうです。
さらにパワーアップした島野浦島を見せてくれるのではないかと、今からわくわくしています。
宮崎県東臼杵農林振興局
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