令和8年度「知事との本音トーク」地域版(第4回:五ヶ瀬町)
内容
開催日時など
開催日時
令和8年8月19日(水曜日)午後1時30分から午後3時まで
場所
五ヶ瀬町役場3階議場
テーマ
五ヶ瀬町の将来像・魅力
参加者
五ヶ瀬町の皆さん10人
- 本日は、平日の日中という皆様大変お忙しい中、「知事との本音トーク」に御参加いただき、心から感謝申し上げる。県政を進める上で「対話と協働」を大切にしており、地域の皆様の意見を今後の県政運営に生かしていくために実施している。
- 人口減少が進む中、どのように地域の暮らしや経済活動を守り、更なる発展を目指していくのか、皆さんと意見を交換して実りある時間としたい。
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中山間地域の振興・再造林について
- 高校卒業後、県外に転居したが林業を継ぐため五ヶ瀬町に戻ってきた。同級生は皆県外に出てしまい、子どもの頃に親しんだ町とは様子が変わり寂しく感じる。どうすればこの町が盛り上がるか考えたところ、五ヶ瀬町は九州の真ん中に位置し、周辺地域とのアクセスが良い。そこで、地元の人だけでなく外の方も一緒に思い入れを持って盛り上げに協力してもらう仕組みを作ろうとしている。五ヶ瀬町の強みや、どうすれば山間部が盛り上がり、若者が戻りたくなる町になると考えるか、知事の意見を伺いたい。
- 宮崎の強みである5つのSとして「食」「スポーツ」「森林」「自然」「神話」が挙がっていたが、6つめのSとして「SNS」を加えられるように、情報発信に力を入れるべきと考えている。5つのSはどこにも負けないような誇れるものであるが、伝える術が足りていないと感じる。SNSでの発信がうまくいけば、高千穂峡に並ぶ人気が出るものが数多くあると考えている。SNSの活用法を教える仕組みがあるとよい。
- 山林所有者に再造林したい気持ちがあっても、後継者不足、境界不明、鹿の食害等による価値の減少により再造林をためらう人が増えている。
- 五ヶ瀬ハイランドスキー場は「日本最南端のスキー場」として親しまれてきたが、雪を楽しむスポーツをあえて雪の少ない地域でするという矛盾が魅力のひとつだった。スキー場跡地の活用方法について、宿泊施設を作ったらどうかと考えているが、普通のリゾートホテルでは競合が多く太刀打ちすることは難しい。「日本一星に近い」というキャッチフレーズで、あえて利用客のターゲットを絞り込めば発信力を高められると考える。
知事より
- ワイナリー、お茶、林業といった五ヶ瀬町の魅力を伸ばし、観光やスポーツ合宿の受入れによって五ヶ瀬町のファンを増やし、関係人口を拡大することが大切と考える。廃止されたスキー場の跡地の活用も重要で、先日開催されたトレイルラン大会は非常に魅力的に映った。スポーツ合宿の観点では、五ヶ瀬町は比較的涼しい高地にあり、他の地域とは異なる魅力を発信できる。また、九州中央自動車道が完成すれば熊本県により近くなることを今後に生かすべきである。県外での生活を経験した上で地元の魅力を高めたいと考えてくださる皆様が核となり、地域のポテンシャルを伸ばす取組を進めてほしい。
- 情報があふれる現代社会においてSNSでどう目立たせるかは課題であるが、行政も企業も、うまく活用し魅力を発信することはとても大事である。県としてもYouTubeでの動画配信等に取り組んでいる。
- 林業をとりまく課題として、地籍調査の遅れ、木材価格の低下、鳥獣被害の拡大、所有者の高齢化等が挙げられる。個人では難しい山林の管理については、市町村や森林組合に委ねる方向に進めていく必要があると考える。
- スキー場跡地の地形や標高を生かし、柔軟に発想するという姿勢が活用方法を考えるにあたって必要である。今後、アイデアが練られていくことを期待している。
地域活性化・高校教育について
- 全国各地を転居してきた後に五ヶ瀬町に落ち着いた。五ヶ瀬町は人が温かくとてもいい所で、ここで子育てできてよかったと思う。五ヶ瀬町のために何かしたいと思い、「鞍岡大好き女子会」という団体で空き家の活用に取り組んでいる。空き家の活用に当たり、行政から補助金が出て活動を支えてくれているので、今後も継続してほしい。
- 集団お見合いなど、若者の出会いの場づくりを行っている。県広報8月号で結婚、子育てを全力で応援する県の取組が紹介されていたが、とてもよい取組と考える。
- 自分の仕事の顧客は町内には少ないが、九州全域に点在している。顧客を訪問するにあたって五ヶ瀬町は九州のほぼ中心にあって立地が良く、どこに行くにも便利である。こんなに便利だが住む人が少なく、町外に出て行く人が多いことを不思議に思う。町内だけで生活しようと考えるのではなく、生活範囲を九州全体に広げて考えればとてもよい場所である。
- 県立高校が定員割れしていると報道で知ったが、高千穂高校に魅力ある学科を作ると五ヶ瀬町や高千穂町の子どもたちが集まると考える。林業科や観光科といった仕事に役立つ実業系の学科がよい。
- 子どもが実業系の高校に通っていた当時、高校の引率で就職先の候補となる企業の視察に行ったが、視察先は福岡県の企業だった。まずは宮崎県内の企業を紹介すべきだと思う。
知事より
- 空き家の活用が進まないことで、移住希望者の受け皿となる住居が用意できないという課題を解決するため、県では空き家の改修費用を支援する事業を行っている。
- 広報紙で紹介しているとおり、県では、出会いを希望する方に相手を紹介するなど結婚を応援するボランティア「ひなたの縁結びさん」を募集しているほか、マッチングアプリの利用料を補助する等、様々な取組を行っている。五ヶ瀬町だけ、西臼杵郡だけではなく、幅広く参加者を募り、出会いをサポートすることが大事であると考えている。
- 五ヶ瀬町の立地の良さは、観光誘客にも生かせる。宮崎県だけを見るのではなく九州全体を広く捉える視点はとても重要である。
- まさに現在、高千穂高校に観光関連のコースを作る準備を進めている。高校教育の無償化により私立高校に人気が集まる中、県立高校の魅力を高めるため、農林水産業等の実業系の魅力向上、文理融合、観光関連のコースの新設、リモート教育の充実等に取り組んでいる。
- 過去、高校卒業後の県内就職率が54%と全国最低になったことで危機感が高まり、県内の魅力ある就職先について学校現場での情報発信に力を入れている。取組が功を奏し、県内就職率が60%台に上がったが、もっと上げたいと考えている。県外に就職し外から見ることで宮崎県や五ヶ瀬町の良さが分かるということもあるが、まずは県内の就職先を知ってもらう取組を今後も継続する。
政治・体験活動について
- 五ヶ瀬町の魅力は、人と人とのつながりが強いこと、大人も子どもも政治への関心が高いこと、学校で茶摘みやカヌー等の体験学習ができることである。しかし、今後人口減少が進み、人と人とのつながりが弱まる、政治への関心が薄くなる、教員不足で体験学習ができなくなるといったことが起こるのではないかと心配している。学生が政治への関心を高めるために、県庁で学生による模擬議会を開いたらどうかと考えている。
- 学校で生徒が草刈りのやり方を教わることで、草刈り体験をしつつ地域活動の役に立つことができる。県に草刈り大会を企画してもらえると、さらに生徒の意欲が向上する。
知事より
- 模擬議会は主に市町村で開催されており、県では議場の見学が行われている。県に対しても模擬議会で様々な提言を頂くのはとてもいいことだと考える。
- 草刈りを大会にして競技性を高め、皆で盛り上がるというのも素晴らしいアイデアである。例えばごみ拾いは、スポーツごみ拾いとして大会を開催して盛り上がっている。
学校と地域の関わりについて
- 五ヶ瀬中等教育学校では、「フォレストピア探求」の授業で町民の方々が講師を務めたり、ホームステイで町民の方々の家に宿泊したりと、地域との関わりがとても強い。後輩が休日に買い物に出かけたとき、突然雨が降ってきて困っていた際に見知らぬ女性から傘をもらったと言っていた。非常に温かい町だと感じている。
知事より
- 人との温かいつながりが五ヶ瀬町の良さの1つであると改めて感じるエピソードであった。町民の方々は、自分の子どもでなくとも、自分たちの子どもという意識で温かく見守ってくれているのだと思う。五ヶ瀬中等教育学校は、五ヶ瀬町にとって1つの大きな強みであり核となる存在であると考える。
ベッドタウン化について
- 五ヶ瀬町は九州の真ん中にあり、今後高速道路が整備されてさらに便利になる。五ヶ瀬町に住んで九州内で仕事を選び、休日は九州を自由に回って遊ぶことができる。住宅を整備して移住してもらい、自然の豊かさや人の温かさといった五ヶ瀬町の魅力を知ってもらいたい。
知事より
- 五ヶ瀬町の今後を考えるにあたり高速道路の整備が進んだ先を見据え、どのようにこの地域の発展に結びつけていくかが、五ヶ瀬町と県がともに取り組む重要な課題である。熊本県は地理的にも経済的にも九州の中心のひとつであり、高速道路が整備されると熊本市から1時間弱で五ヶ瀬町に来ることができるようになる。この地理的なアドバンテージを経済活動にも観光にも生かしたい。都市部は地価が高いが、五ヶ瀬町では安価で住宅が手に入り、自然豊かな環境で暮らすことができるため、ベッドタウンになりうるというアイデアを頂いた。
五ヶ瀬中等教育学校の生徒募集について
- 先日宮崎市内で、英語でプレゼンしALTの先生と会話する「グローバルキャンプ」というイベントが開催された。他の市町村は1つの学校から複数名参加していたが、五ヶ瀬町からの参加は五ヶ瀬中等教育学校の生徒1名と五ヶ瀬中学校の生徒1名の合計2名だけであった。五ヶ瀬中等教育学校に勉強熱心な生徒を呼び込めば、五ヶ瀬町の人口減少も改善すると考える。
知事より
- グローバルキャンプ等に積極的に参加することで、刺激を受けたり新たな友人を作ったりすることができる。ぜひ海外も経験していただき、自分の夢を実現してほしい。五ヶ瀬中等教育学校が取り組んできた、豊かな自然を生かした「フォレストピア教育」を中心に、意欲的な生徒を集める取組を進めたい。
子育て環境・集落支援について
- 五ヶ瀬町の強み、魅力のひとつとして、子育て環境の良さをもっとアピールするべきと考える。子どもの通う小学校は全校生徒が16名で、先生の支援が手厚く、のびのびと勉強している。また、子どもが小さい頃から、地域全体で子育てをしてもらっていると強く感じてきた。若者が流出して人口が減っているが、五ヶ瀬町は子育てしやすいとアピールすることで移住者が増えるとよい。
- 集落支援として、自動車免許を返納した高齢者を自宅から目的地まで送り届ける移動支援等を行っている。地域活性化にも取り組みたいが、移動支援の対象者が多く忙しくて手が回っていない。
知事より
- 本県の合計特殊出生率は全国的に見ると高い。その背景には産み育てやすい環境があると考えている。子育てしやすい環境を発信し、子育て支援をさらに充実させることで、地域の魅力を高めたい。
- 人口減少で公共交通が成り立たなくなる中、移動をどう支援するかが課題となっている。県も交通空白地帯を解消するプログラムに取り組んでいるが、集落支援員の果たす役割は非常に大きいと考えている。
茶業をはじめとした農業への支援について
- 世界的な抹茶ブームを受けて抹茶の需要が伸びており、県も抹茶生産を支援しているが、釜入り茶を生産している農家が抹茶を生産することは難しい。釜入り茶や紅茶、ウーロン茶の生産に対しても支援してほしい。五ヶ瀬町は中山間地域であり厳しい条件下で農業を行っている。お茶だけでなく、農業全般に対する支援を手厚くしてほしい。
知事より
- 世界的な抹茶ブームにより、抹茶のみならずお茶全体の価格が上がっている。県では、抹茶加工施設の整備に対する支援を行っているが、同時にお茶の品質を保ち、産地を維持する支援も行いたい。和紅茶は海外の紅茶と比べてまろやかで美味しいと評価されており、追い風を将来につなげられるよう県としても支援したい。農畜水産業は物価高でコストが上昇する一方、価格転嫁が難しいため、コスト高に対する支援を行いたい。
畜産の担い手確保・全国和牛能力共進会について
- 先日、和牛の品質検査が行われたが、高千穂市場の品質の平均値が県内で最も高く、全国でも7位にランクインした。出荷頭数が少ない小さな市場だが、全国的にトップレベルとのことで嬉しい。しかし、畜産農家の戸数減少と担い手不足により出荷頭数が年々減少しており、自分自身も先行きが見えないと感じている。宮崎牛、高千穂牛として魅力あるブランドが確立され、高値で取引されるにもかかわらず、ブランド牛の生産者が減少している。県内どの地域も農林業全体で同様の問題を抱えていると思うが、県としてどのように力を入れていくのか伺いたい。
- 来年、全国和牛能力共進会が北海道で開催される。前回の鹿児島大会では、高千穂市場が県内で最も出品頭数が多かった。前回大会が終わってからの3年間で研究が進み、出品対策も行われ、素晴らしい牛がそろっている。来年の全国和牛能力共進会に代表として出品できる牛を、1頭でも多く高千穂市場から出したいと考えている。ぜひ、全国和牛能力共進会に向けた知事としての意気込みを伺いたい。
知事より
- 宮崎牛は、5年に一度の全国和牛能力共進会において4大会連続で最高賞を獲得し、知名度が格段に上がっている。口蹄疫から復活したというストーリーを含め、本当に頭が下がる思いである。和牛は世界的に評価されているが、生産者の高齢化や担い手不足を背景に、全国的に頭数が減少している。加えて物価高などの課題もあるが、何としても生産現場を支え、将来につながなければならないと考え、対策を講じている。意欲ある担い手を県全体で支えていきたい。
- 全国和牛能力共進会において宮崎牛が引き続き良い成績を取ることは、本県にとって非常に重要である。和牛全体のレベルの引き上げにつながるという視点からも、ぜひとも勝たなければならないと考えている。今回は北海道という遠方での開催であり、輸送等の問題があるが、力を合わせて問題をクリアし良い成績を上げたい。
建設業者の育成について
- 五ヶ瀬町の建設業者は、団塊の世代が引退して若い世代に代替わりしたところが多く、技術力が不足している。様々な工事を経験しなければ、大規模災害に対応できる技術力は身につかない。自分たちの町は自分たちで守りたいという思いがあり、建設業者を育成する観点から、受注機会が増えるように事業を細かく区切って発注してほしい。
知事より
- 建設業の皆様は、道路や橋等のインフラ整備で大きな役割を果たしておられるとともに、災害時の復旧・復興の現場でも活躍いただいており、まさに地域の守り手である。皆様が安心して仕事に取り組めるよう、公共工事の事業費を確保するとともに、技術の継承も考えながら発注形態を工夫し、人材確保のサポートを行っていく。
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- 様々な提言や意見をいただき、地理的なアドバンテージをはじめとした五ヶ瀬町の強みを今後もっと伸ばすことができると感じた。実現できるように、県と五ヶ瀬町の連携を深めるとともに、地域の皆様と一緒に取組を進めていきたい。本日はありがとうございました。
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