令和8年度「知事との本音トーク」地域版(第5回:西米良村)
内容
開催日時など
開催日時
令和8年9月3日(木曜日)午後1時30分から午後3時まで
場所
西米良村基幹集落センターホール
テーマ
西米良村の将来像・魅力
参加者
西米良村の皆さん10人
- 本日は、平日の日中という皆様大変お忙しい中、「知事との本音トーク」に御参加いただき、心から感謝申し上げる。県政を進める上で「対話と協働」を大切にしており、地域の皆様の意見を今後の県政運営に生かしていくために実施している。
- 皆さんが普段感じている西米良村の課題と強みについて意見交換し、西米良村の将来をともに考える時間としたい。
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河川の水を利用した消火活動について
- 火災発生時の消火活動で使用するため、各地区に防火水槽が設置されているが、河川に近い位置での消火活動では河川から消火用水を取水する方が望ましい。しかし近年、災害防止の観点からブロックやコンクリートで固められた護岸が整備されており、河川から取水するポンプを持って川に下りることができない場所が多く苦慮している。西米良村は山に囲まれ、家屋火災が山林火災に発展するおそれがあり、迅速な消火活動が重要である。河川の護岸に、消防団員がポンプを持って下りられる箇所を作ってほしい。
知事より
- 熊本地震等の経験を踏まえ、防火水槽や水道管の耐震化といった消火活動に係る対策を進めている。災害に強い河川を目指して護岸整備を進めているが、消火活動においては課題を生んでいることを指摘いただいた。護岸整備と消火活動を両立させる工夫について、現場の状況をよく確認しながら検討していきたい。
衛星通信の活用について
- 林業の現場や観光地において、携帯電話の電波が届かない地域が存在することが大きな課題だと思う。こうした場所では、衛星を経由して位置を伝え、救助要請が行える衛星通信の活用が考えられる。Garmin(ガーミン)というデバイスは、SOSボタン一つで救助要請することができる。標高の高い場所において一人で作業する林業従事者がいるが、日本の登山道の約5割は圏外と言われている。村民と観光客の命を守るためにも、ガーミンのようなデバイスの導入や、Starlink(スターリンク)のような衛星通信インフラの役場等への整備について支援してほしい。
知事より
- 電波が届かない場所全てに基地局を建てることは地形的にもコスト的にも難しいが、衛星通信の活用は有効だと考える。林業は他産業に比べて重大事故が起こりやすく、森林組合等を通じてシステムを一括導入できるとよい。県としてどのようなサポートができるか、通信の空白地帯での安全確保について検討したい。
河川の浚渫、再造林、ヘリコプターの活用について
- 大雨のたびに山から河川に土砂が流出し、この20年ほどで川底が1~2メートル上がっている箇所がある。その影響で水があふれやすくなっており、キャンプ場にも土砂が流れこみ、多額の費用をかけて復旧させた。10年ほど前から、河川浚渫してほしいと訴えているが、村内には浚渫した土砂を置く場所がないという問題があり実現していない。村外の広い場所へ土砂を運ぶことも含めて検討いただき、川底を下げる対策をお願いしたい。
- 県は再造林日本一を掲げているが、そのための苗木が不足している。単価が安く、苗木づくりで生計を立てることが難しく、生産者が減少しているためである。若者が苗木づくりを事業として成立させられるよう、苗木の単価引上げや助成等の支援をしてほしい。
- 西米良村の豊かな自然環境を全国あるいは世界の富裕層の方々に楽しんでもらうにはどうすればよいか前に議論した際、ヘリコプターを活用するというアイデアが出た。日本のヘリコプター所有数は、アジアで一番多いと聞いた。ドクターヘリの離着陸場所に民間のヘリコプターも着陸させてほしいと村役場に相談したところ、ドクターヘリと民間のヘリコプターの離着陸時間が重なるおそれがある等の問題があり断念したが、アクセスに時間がかかるという中山間地域のデメリットを逆に利用すれば富裕層を呼び込む環境になり得る。ヘリコプターの活用について、将来的な考えがあれば伺いたい。
知事より
- 災害が頻発し激甚化する中で、河川の掘削や浚渫については以前よりも予算を確保して重点的に取り組んでいる。出水期を前にしっかり確認して対応を検討する。
- 林業県として35年連続日本一を誇るスギの生産量を守るためには、苗木の確保は最重要課題である。再造林をモデル的にリードしていくためには、生産者が意欲を持って取り組める環境づくりが不可欠と理解している。20年後、30年後の林業を支えるための先行投資として、価格形成や支援のあり方を、森林組合等とも連携して検討する。
- 日南市の大島という離島にリゾートホテルができ、交通手段はヘリコプターを使うと聞いている。海の自然環境を生かした大島の事例があるので、西米良村の山の魅力を生かす移動手段としても十分あり得ると思う。西米良村は人口が密集している宮崎市や熊本市から離れており、道路によるアクセスのハンデがあるが、ヘリコプターや空飛ぶクルマでの移動が加わればそのハンデが小さくなる。西米良村にある神楽や食、素晴らしい自然という宝を、新しい移動手段によって更に生かすことができると考える。
神楽の継承、道路改良工事に伴う規制について
- 教育委員会を通じて神楽の調査が行われ、神楽の発表の場が作られたことで、舞手である保存会の意識が変わり、「神楽は非常に大事なもので、責任を持って次世代につながなければならない」と考えるようになった。コロナ禍で2年間休んだ際、「神楽を半分程度に縮小してはどうか」という意見も出たが、村役場や県が神楽保存のために懸命に動いているのを見ていたので、縮小せずに再開することができた。もしこうした県の取組がなければ、小川地区の神楽は現在の形では残っていなかったかもしれず、感謝している。また、昨年、子どもたちが神楽を学ぶ機会を村役場が作ってくれたおかげで、久しぶりに子ども神楽を披露することができた。さらに、県外からの移住者が、今年も新たに1名保存会に加わってくれたほか、7月には『西米良神楽伝承館』も立ち上がった。神楽の2年後のユネスコ登録に向けて、そしてその先へ神楽を繋ぐため、引き続き支援と助言をお願いしたい。
- 道路改良工事に伴う通行時間の規制が平日に行われているが、遠方の観光客は終日通行止めと誤認する場合があり、平日の宿泊予約が減少している。工事期間として看板に表示されていても、実際には工程によって時間規制が行われない週もある。可能であれば、規制時間を短くする、規制が行われない期間を明確にする等の配慮をお願いしたい。
知事より
- 神楽は単なる芸能文化ではなく、人口減少や高齢化が進む中で、地域を結びつける核であり関係人口も含めたつながりの中心である。2年後のユネスコ登録を目指し、今年度はユネスコ本部のあるパリでの公演や、東京の国立能楽堂での公演等を予定している。また、来年の国スポ・障スポに向け、宮崎駅前のKITENビル1階に整備した情報発信拠点において、入り口の一番目立つ場所に神楽のスペースを設けている。宮崎の魅力を発信するにあたり、神楽は中心的な存在である。皆様の誇りである神楽を、これからも県としてしっかりと支え、世界に誇れるものとして繋いでいきたい。
- 道路整備は生活安全のために進める必要があるが、地域の観光や経済活動への影響を最小限に抑える工夫も不可欠である。工事が進めばいいというだけではなく、地域の状況に目配りすることが大切である。規制情報のきめ細やかな発信やイベント時期に合わせた工程調整等、担当所属で対応を検討したい。
避難場所となっているスポーツ施設について
- 剣道部に所属しているが、使用している武道場が古く、雨漏りがひどいため大雨の後は部活動をすることができない。災害時の避難場所にも指定されており改修してほしい。
知事より
- 村としても財政状況等課題はあると思うが、安心して剣道に打ち込むことができ、災害時には避難場所としても活用できるように環境を整える必要がある。
市町村対抗駅伝競走大会について
- 市町村対抗駅伝競争大会について、現在は県総合運動公園の中を走るコースとなっているが、以前の宮崎市街地を走るコースの方が楽しめた。以前のコースに戻す予定がないか伺いたい。
知事より
- 市街地の方が、多くの人の目に触れ、ランナーのモチベーションが上がり、大会としても盛り上がるという声があり、運営主体にも市街地で開催したい思いがある。しかし、警察から安全対策を強化すべきとの意見があり、運動公園内のコースに変更した。交通規制などクリアすべき課題は多いが、皆さんの走る楽しみ、応援する楽しみを最大化できるよう、改めて検討課題として受け止める。
通信環境、医師確保、救急医療について
- 村内に電波が届かないところがあり、救急の電話が繋がりにくいことが多い。村民の命を守るため、通信環境を改善してほしい。
- 西米良診療所へ県から1名医師を派遣いただいており、今後も継続してほしい。村の人口を見ると医師は1人でいいと言われるが、学校があり十分な医療がないと、人が定着しない。若者の移住・定住を促進するために、医師は必ず確保しなければならない。
- 救急医療について、西米良村は「非常備消防」で消防署がないため診療所が対応するが、スタッフの人数が少ない上に、救急車がないため「搬送車」という名前の車両を使用している。救急救命士を村に数名配置する、あるいは隣接する西都市や熊本県の消防署と強固に連携するなどして改善してほしい。もし、西都市や熊本県の消防署に対応してもらう場合は金銭負担が生じると思われるので、その場合には県に補助してほしい。
知事より
- 通信環境の改善については、市町村とともに国の補助制度を活用しながら進めているが、財政面とカバーすべき面積を考えると、全てを一度に改善することは難しい。通信が繋がらないことは命に関わる問題であるため、少しでも改善できるよう引き続き努力していく。
- 県としても、宮崎市圏域に医師が集中し、他の地域では不足している医師の偏在を課題と捉えており、医師の中山間地域への派遣の仕組みが重要と考えている。現在は自治医科大学を卒業した医師を派遣しているが、今後、宮崎大学医学部の地域枠を卒業した医師を県立病院が雇用し、医師を必要とする地域へ派遣する仕組みの運用を開始する。
- 非常備消防となっている各自治体から、救急体制に不安があるという声をいただいている。民間に救急業務を委託して対応している例もある。村として救急救命士をどう確保するか、広域的な救急搬送の仕組みをどう作るか、県としてもどのようなサポートができるか検討したい。
伝統料理の魅力発信について
- 上米良地区で昔から作られているおやつ「にぼし」は、さつまいもを煮て干して乾燥させたもの、小豆、金時豆をもち米と一緒に炊き、砂糖と塩で甘く味付けたものである。婦人会では「にぼし」の味を継承するため、毎年6月に中学2年生を対象に料理教室を開催している。日持ちしないため村のイベント等でしかふるまうことができていないが、「にぼし」の魅力を広く発信することができればと考えている。
知事より
- 先ほど初めて頂いたが美味しく、見た目の印象と甘い味わいとのギャップが面白い。来年開催される国スポ・障スポが、地域の魅力や伝統的な食を紹介する良い機会であるため、関連する様々なイベントでふるまうとよいと考える。
観光誘客、雇用創出について
- 現在、西米良村に来る観光客は、桜、川床、神楽のように目当てのものがある時期にしか訪れず、これから秋に入ると客足が遠のいてしまう。レジャー施設や子どもが遊べる施設があると、通年で観光客を誘客でき、移住者も増えると考える。
- 村内に働く場がなく、若者がUターンすることができない。雇用創出のための取組をお願いしたい。
知事より
- まず季節ごとのイベントをきっかけに来ていただくことで交流人口を増やし、次に西米良温泉に入りに行く、西米良村のあの人に会いに行く等の動機で足を運んでもらい関係を深めることで移住に繋がっていくと考える。2年後に予定されている神楽のユネスコ登録の後、4年後には温泉文化が登録される可能性が大きく、西米良温泉としてそのチャンスを生かしてほしい。
- 安心して暮らすために、地域の強みを生かした魅力ある仕事を作る必要がある。西米良村の場合、製造業の大規模な工場を誘致することは難しいが、農産物の加工による付加価値向上や輸出需要が高まるユズを海外市場と結びつける仕組みづくり等、地域の魅力を稼ぐ力につなげる取組を進めていきたい。
施設園芸、高校生の寮について
- 村内では夏でも涼しい気候を生かして農産物を生産しており、施設園芸が盛んであるが、近年の記録的な猛暑で収量に悪影響が出ている。施設を冷やすには遮光やミスト等の手法があるが、費用対効果の問題等で手法が確立できていない。農業改良普及センターと相談しながら実証実験を行ってデータを集めているが、今後も技術面と資金面での支援をいただきたい。
- 西米良村の子どもは高校進学で村外に転居するが、宮崎市内の下宿が減少し、現在では1~2軒しか残っていない。そのため、子どもを高校に通わせるために親が仕事を辞めて宮崎市で一緒にアパートに住むという家庭もある。学生寮が県北に集中しているが、宮崎市内にも寮を作り、生徒が住める環境を整えてほしい。
知事より
- 地球温暖化が進む中、農業における暑熱対策は世界全体で課題として取り組む必要があるが、農業県・宮崎としては待ったなしの状況であり、暑さに強い品種の開発や冷却技術の構築など、早急に取り組まなければならない。西米良村の基幹産業である農業を支えるためにどのような支援ができるか検討したい。
- 県内の他の地域でも、子どもの高校進学に当たっては親の負担が非常に大きく、支援してほしいという声を頂いている。県立高校入学者の全国募集を進める際にも、寮がないことが最大のネックとなっている。中山間地域の子どもが教育を受ける機会を確保するという意味でも、非常に深刻な問題である。子どもの選択肢が狭まることがないよう、住まいの問題について検討したい。
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- 様々な御意見、御指摘や御提言から、本当に素晴らしいヒントを頂いた。御意見を生かして県の取組を進めていきたい。今後も遠慮なく様々な御意見を県や西米良村に出していただき、そのことによって地域をより良くしていく流れを作りたい。本日はありがとうございました。
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