宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

イベント&フェスティバル

師走まつり

南郷村 1月28日〜30日
西の正倉院で知られる南郷村の百済王伝説を今に伝える師走まつり。西暦660年、唐と新羅の連合軍に滅ぼされた古代国家・百済の王一族は、一時は畿内に逃れますが、政変によってそこも追われて海路、筑紫国(現在の福岡)をめざします。ところがシケに遭って父・禎嘉王(ていかおう)は金ヶ浜(日向市)、息子・福智王(ふくちおう)は蚊口浦(高鍋町)に漂着。その後、禎嘉王は南郷村へ、福智王は木城町に住んだといわれています。

南郷村神門神社には、奈良正倉院のものと同一とされる銅鏡や1006本の鉄矛などが伝わっていますが、これらも百済王ゆかりの品とされ、伝説を裏付けるものとみられています。

師走まつり

師走まつりは、木城町比企神社にまつられる福智王が、南郷村の父・禎嘉王に会いに行くさまを再現したもの。木城町から出発した一行は約90kmの道のりを、古式にのっとって神楽などを奉納しながら進み、南郷村神門をめざします。到着した一行を迎える壮大な「迎え火」や、別れの朝に皆で顔にかまどの墨を塗る「へぐろ塗り」など、特徴的な風習が多く、九州と朝鮮半島の関係や、古代ロマンを伝えるものとして近年特に注目されている祭りです。

問い合わせ/南郷村企画観光課
0982-59-1501

宇納間地蔵大祭

北郷村 3月3日〜5日
古くから「火伏せ地蔵」として信仰を集めている北郷村の宇納間地蔵尊。ご本尊の地蔵菩薩は、奈良時代の僧・行基が天平年間(749〜757)に彫ったとされています。平安末期に、この地蔵尊を本尊として天台宗宝蔵寺が建立されたのが「宇納間地蔵」の始まりで、現在は曹洞宗全長寺へと受け継がれています。

言い伝えによると火伏せ信仰の始まりは天正6年(1578)。豊後の大友宗麟軍の攻撃によって寺が焼かれた際、地蔵尊は山頂に移っていて無事だったといわれ、以来「火伏せ地蔵」と呼ばれるようになったとか。また、享和元年(1801)、江戸で大火が起こり延岡藩邸も類焼しそうになりましたが、神仏に祈ったところ宇納間地蔵の化身が現れ、火をまぬがれたという伝説も伝わっています。 北郷村は炭焼き、焼き畑、椎茸の乾燥など、昔から火に縁のある土地柄だったことも、信仰の背景にあるのでしょう。

宇納間地蔵大祭

大祭の3日間は県内外から多くの参拝者が訪れ、地蔵堂にいたる365段の石段周辺には名産の宇納間備長炭などを売る店も立ち並び、閑静な山里は祭り一色ににぎわいます。

問い合わせ/全長寺
0982-62-5018

みやざきフラワーフェスタ2005

宮崎市 3月20日〜5月8日
南国宮崎から全国に向けて一足早く春を告げる花のイベント、みやざきフラワーフェスタが、今年も宮崎市こどものくにをメイン会場に開催。昭和43年、平和台公園で開催された第1回フラワーショーを前身とするこのイベントは35年以上の歴史をもつ、宮崎の春の風物詩となっています。

メイン会場のこどものくにには、例年80種100万本の花が美しくデザインされて植えられ、色とりどりの花がまぶしいばかりの光景をみせてくれるほか、4月下旬頃からは園内に植えられた5000本のバラも見頃を迎えます。

みやざきフラワーフェスタ

今年は日南海岸国定公園50周年にあたることから、青島からサボテン園までをイメージした記念花壇が作られたり、カメラ付き携帯電話による写真コンテストの開催など、新しい催しも予定されています。

観覧車をはじめ多くの遊具もあるので、お弁当を持って親子連れで訪れる人も多く、ここから足を伸ばして日南海岸をドライブしてみるのも楽しいもの。春の宮崎を、フラワーフェスタで存分に味わってみてください。

問い合わせ/みやざきフラワーフェスタ推進協議会
(みやざき観光コンベンション協会内)
0985-25-4676

welcomeいらっしゃい
下津曲 治雄(しもつまがりはるお)さん
(鹿児島県隼人町在住)

下津曲さんご夫妻
満開のコスモス畑で、妻の久美子さんと、1歳半になる孫・岩崎昴貴(こうき)くんと一緒に下津曲さん。孫の成長をビデオに撮るのが楽しみという。

妻、娘夫婦と秋の西都原に来ました。
美しいコスモスの風景に感動しました。

●西都原に来られたのは初めてですか?
以前に何度か訪れていますが、秋に来たのは初めてです。コスモスの美しさに感動しました。これだけ広い土地に、単一の花が、整然と咲いている風景は全国でも珍しいのではないでしょうか。雑草が生えてないところをみても、手入れされる方々の苦労を感じます。

●宮崎にはよく来られるのですか?
ビデオ撮影が趣味で、カメラを持ってあちこち出かけています。宮崎市のフラワーフェスタや神宮大祭、須木村の栗祭り、三股町の早馬まつり、紅葉の時期はえびの高原に出かけますし、少し前は巨木を訪ねて椎葉村にも行きました。自然が豊かで、お祭りも多彩な宮崎は撮影のテーマに事欠きません。

●宮崎の印象は?
なんといっても人柄がいいですね。皆親切で、行く先々でよく話しかけてくれます。以前、撮影先で知り合った小林市にお住まいの方とは、本人が映ったビデオを送ってあげたのが縁で、今も交流が続いています。

●今日のこれからのご予定は?
ちょうど西都古墳まつりの日なので、たいまつ行列を見たいですね。その前に新しくできた西都原考古博物館にも行こうと思います。

●最後に一言。
今、世の中は争いが絶えず、地球環境の悪化も耳にします。平和で住みよい環境で暮らすことがどれほど大切か、満開のコスモスを見ると、そのことをあらためて感じます。

西都原古墳群

東西2km、南北4km、標高70mの丘に、311基の古墳が点在する特別史跡公園。その数は全国でもトップクラス。代表的な古墳に男狭穂塚(おさほづか)と女狭穂塚(めさほづか)がある。花の名所としても有名で、春には桜と菜の花、秋にはコスモスが広大な敷地に咲き広がる。

西都原古墳群