宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ
わかばの舞台を巡る旅
わかばの舞台を巡る旅
わかばの舞台を巡る旅

連続テレビ小説「わかば」
脚本:尾西兼一 
制作:NHK大阪放送局
放送期間:平成16年9月27日〜平成17年3月26日(全26週151回)
公式サイト:http://www.nhk.or.jp/asadora

旬発信MIYAZAKI

平成16年9月末からスタートした連続テレビ小説「わかば」。わかばの一家が住む飫肥をはじめ、ロケの舞台となった地を目当てに宮崎を訪れる観光客が増えている。10月に行われた飫肥城下まつりには、ここ数年では最高の6万5千人が訪れた。皆さんも「わかば」の舞台を巡る旅に出かけてみませんか

江戸情緒と飫肥杉の緑が癒しをくれる、わかば第2のふるさと
A 日南市飫肥

日南海岸を南下して国道222号沿いに市街地を抜ける。国道を山手に折れ、酒谷川にかかる橋を越えると、真っすぐ伸びた道路沿いに建物が整然と立ち並ぶ、かつての商人通り(本町通り)が姿を現す。神戸で被災したわかばの心の傷を癒したのが、「伝統的建造物群保存地区」にも選定されているここ飫肥のまち。84年間におよぶ薩摩島津家との争いを経て、1518年の秀吉九州進出の際に伊東家五万五千石の城下町となってからは、以後約280年間にわたって栄えた。

飫肥杉

本町通りを北に飫肥城址・大手門へ向かうと、碁盤目状に区割りされた町筋に、江戸の武家屋敷を思わせる石垣と白漆壁が連なり、水路を悠々と錦鯉がたゆたう。歴史の重みを感じさせる静かなたたずまいが心に染み入る。勇壮な門構えが印象的な大手門(昭和53年復元)をくぐれば、苔むした石垣と杉木立が私たちを迎えてくれる。城址の最も高い所にあり、約80本の飫肥杉が並ぶかつての本丸跡は、悩みごとがあると必ずわかばが訪れるところ。

伝統的な街並み

木立を吹き抜ける心地よい風のにおいに目を閉じれば、柔らかな葉擦れの音が耳をかすめる。まぶたの裏に木立の残像と木漏れ日を感じて、静かに目を開けたときの清涼感は何とも言えない。わかばも癒された、この不思議な力を求めて、普段は訪れる人も少なかったこの場所に、まっさきに足を運ぶ観光客も増えているとか。

錦鯉の泳ぐ水路

準一がわかばにプロポーズ
B 鵜戸(うど)神宮(日南市)

造園学部の同級生で、わかばに思いを寄せる谷準一が、プロポーズした場所がこの鵜戸神宮。海辺にそそり立つ奇岩に開けた巨大な洞窟の中にある社殿には、初代神武天皇の父ウガヤフキアエズノミコトを祀る。ソテツなどの南国らしい木々の中を抜けて社殿へ向かう階段から、間近にのぞむ広大な太平洋と奇岩に打ち寄せる白波が、圧倒的な光景を生み出している。

鵜戸(うど)神宮

わかばが大学へとスクーターを駆った
C 日南海岸(宮崎市〜串間市)

堀切峠を越えて宮崎市〜日南市〜南端の串間市まで連なる国定公園日南海岸は、あまりにも有名な場所。どこまでも広がる青い空と海、珍しい波状岩(通称:鬼の洗濯岩)、道沿いに植えられた四季の花やフェニックスの木など、見る者を飽きさせない美しい景観が続く。神戸での新たなスタートを夢見て旅立つわかばを準一がいつまでも見送っていた、わかばにとっても思い出深い場所である。

日南海岸

日本有数の古墳群
D 西都原古墳群(西都市)

わかばの通った造園大学の実習風景のロケが行われた場所。九州山地を背後に広がる壮大な緑地に覆われた古墳群には、ニニギノミコト、コノハナサクヒメの陵墓と伝えられる男狭穂塚、女狭穂塚をはじめとして、約11km四方の土地に311個もの古墳が存在する。いつ、なぜこの土地に古墳群ができたのか、それが記紀神話とどのような関係にあるのかについては、現在でも謎のままだ。しかし、これだけの巨大な遺跡を作りあげる文化がここに存在したことだけは確かである。