宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

Jajaバックナンバー

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全国に良質を発信する
宮崎のブランド食材たち

日向灘がもたらす海の幸や、肥沃な土地と日本一の日照が育む野山の幸。昔から豊かな食材に恵まれてきた宮崎では、今、それをさらに磨き上げた宮崎ブランドづくりに取り組んでいる。
現在、「みやざきブランド」として宮崎牛など32品目、「宮崎県水産物ブランド品」として、宮崎カンパチなど6品目を認定。これらは産地を挙げての取り組みの中で、厳しい基準をクリアした良品ばかりだ。
全国に安全で良質な食材を供給するために、宮崎が良心と誇りをこめてお届けするブランド食材たちをご紹介しよう。

宮崎牛

「和牛のオリンピック」で日本一に。
豊かな環境で丹精こめて育てられる宮崎牛。

宮崎牛

平成19年10月、鳥取県で開催された第9回全国和牛能力共進会において、9部門中、7部門で首席にあたる優等一席を受賞し、その品質が名実ともに日本一であることを証明した宮崎牛。5年に一度開催され、「和牛のオリンピック」とも呼ばれる同共進会での快挙で、宮崎牛への注目が一気に高まっている。

「宮崎牛」の名が許される条件は、まず、宮崎県内で肥育された黒毛和牛種であること。そして日本食肉格付協会が定める枝肉の格付等級が4等級(5段階評価の4)以上であること。特に等級の基準は厳しく、同じ生産者が、同じ畜舎で、同じように育てた黒毛和牛であっても、宮崎牛と認められるのは約半分程度だ。

宮崎牛

もともと優秀な子牛の産地として知られている宮崎県だが、それを育てる技術は全国の名だたる産地であれば、ほぼ共通しているといわれる。それにも関わらず今回、快挙を達成できた理由は、環境の良さと育てる人の愛情の深さではないかと聞いた。「いい牛は、よく寝る牛」という。牛がストレスを感じることなく、よく昼寝をして、のびのびと育てることが理想だが、それには畜産農家の牛への愛情がそのまま反映される。宮崎の豊かな環境と、おだやかな気風が、日本一の牛たちを育てている。

宮崎ハマユウポーク

上品な風味で、しゃぶしゃぶに最適。
ポーク本来の味わいがあるブランド豚。

宮崎ハマユウポーク

豚の飼育頭数全国2位の宮崎県にあって、その味の良さでエース級といえるのが宮崎ハマユウポークだ。通常、豚肉料理では肉の臭みをとるためにしょうがやにんにくを使うなどの工夫がいるものだが、ハマユウポークはその必要がほとんどなく、あっさりとした風味で、しかも肉の味わいは深い。そのため、薄切りにしてさっとお湯をくぐらせるだけのしゃぶしゃぶには最適で、ハマユウポークの豚しゃぶは、宮崎の名物料理になっている。もちろん、焼き肉やカツなど他の料理でも、一般の豚肉とは一線を画すおいしさだ。

宮崎の県花を名にもつハマユウポークは、宮崎県で独自に開発されたブランド豚。ランドレース種と大ヨークシャー種をかけあわせて、10年の歳月をかけて作られた系統豚ハマユウをベースに、県内で生産されたもののうち、日本食肉格付協会の格付けで「中」以上、さらに肉質・脂肪の質が良好なものがハマユウポークと認定される。その数は、宮崎産豚の1割程度だ。

宮崎ハマユウポーク

近年、このハマユウポークから派生したブランド豚も登場しており、「かんしょ豚」、「北浦Oh茶メ(おちゃめ)豚」などが独自の個性を競っている。今のところ県内での消費が中心で、宮崎牛やみやざき地頭鶏ほど、全国では知られていないが、その品質は折り紙つき。宮崎に来たら、ぜひ一度、味わってみてほしい。

みやざき地頭鶏(じとっこ)

柔らかな歯ごたえに、ほとばしる旨み。
古来から伝わる「幻の地鶏」がルーツ。

みやざきじとっこ

宮崎を代表する美味である「鶏の炭火焼き」だが、中でもみやざき地頭鶏の炭火焼きは、格別の味わいだ。思いがけず柔らかな歯ごたえの後、軽やかな香ばしさとともに、鶏本来の旨みがほとばしる。また、もも肉やむね身だけでなく、あらゆる部位がおいしい。

みやざき地頭鶏のルーツになっているのは、南九州一帯で古くから飼われていた地頭鶏(昭和18年国の天然記念物指定)という在来種だ。ほとんど幻になっていたこの品種をもとに、ホワイトプリマスロック種と九州ロード種を交配して、平成2年、宮崎県畜産試験場川南支場で開発されたみやざき地頭鶏は、かつて地頭職に献上されたという格別の鶏のうまさを、現代に蘇らせることになった。

素ひなが厳重に管理されていることから、生産羽数が限られ、また飼育密度も「1平方メートル当たり2羽以下」と非常に厳しい基準が設けられていることから、需要に生産が追いつかない状態が続いていたが、近年、少しずつ生産量も伸びてきた。地鶏文化圏といえるほど、古くから地鶏と親しんできた宮崎の誇りをこめた逸品、みやざき地頭鶏を味わってみてほしい。


みやざきじとっこ