宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

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霧の蔵ブルワリー●都城市

オーストリア製の醸造釜
広い吹き抜けの空間に、オーストリア製の醸造釜が並ぶ。

イギリス伝統のエールビールを基に、都城の味を育む

霧の蔵ブルワリーが作る霧島ビールのルーツは、イギリスのエールビールだ。平成10年の創業時に、醸造スタッフがイギリスに渡り、ビール作りの第一人者といわれるリチャード・リグリー氏から製法を学んだ。ミュージアムやホールも備えた霧島ファクトリーガーデンの一角にある醸造所も、イギリスの伝統的なブルワリーをイメージして建てられている。

エールビールは、発酵時に盛んに出る炭酸ガスで、発酵タンクの上面に酵母の大半が浮かび、そこで発酵が進む上面発酵という製法で作られる。香りが高く、コクがあり、フルーティな風味が特徴だ。
「最初は、イギリス伝統のエールビールを再現することから始めました。本場では常温で飲むほど、複雑な香りと味をもつビールです。いろいろな製法にも挑戦して、一時は銘柄が10種類もあったほどなのですが、現在では、これが都城のビールだといえる地元の味が出来てきたと思います」(醸造責任者の大山卓也さん)。

大山卓也さんとレストランメニュー
写真左)「これが都城のビールといえる地元の味ができてきました」と語る、醸造責任者の大山卓也さん。
写真右)レストランのメニューから「和牛ばら肉と大根の煮込み」と「宮崎鶏もも肉のマスタード焼き」。

「都城のビール」の要素のひとつが、霧島レッカ水だ。霧島山脈に降った雨が長い時間をかけて、火山性の岩盤から湧き出してくるもので、適度なミネラルを含みながら、口当たりが柔らかく、ビールや焼酎の仕込み水に最適といわれる。また、地鶏や牛肉など地元の食材との相性も、霧島ビールの味を磨いてきた。
「霧島ビールは、すっきりとした味わいが特徴ですが、それも水が大きく寄与していると思います。地元で湧く水が、地元の食材をおいしく食べられるビールになるのは、自然の力の豊かさを感じますね」

醸造所とレストランが一体となった施設
霧の蔵ブルワリーは醸造所とレストランが一体となった施設。できたてのビールを、地元の素材を取り入れた料理とともに味わえる。

霧の蔵ブルワリー
霧の蔵ブルワリー
都城市志比田町5480番
TEL 0986-21-8111